直観は神秘的で不思議な特徴をもつものと思えるかもしれません。
しかし、専門知識を得ると自然に生じるもののようです。
専門知識を持っているからこそ ― そしてその範囲に応じてのみ ― 直観が働くと言えるでしょう。
こういうことのようです。
人はある分野に関する知識を集積すればするほど、思考と推論の方法が徐々に変化します。
思考は情報を編成してひとまとまりのブロック、情報の大きな型を作ります。
思考はのろのろとして遅い分析段階をう回して、直観的な結論、つまりひらめきに直接到達します。
それらの大きな型を脳が連結するにつれてひらめきは上達してゆきます。
この能力は訓練できるのでしょうか。
身につけたければ、例えば本を読むとき、ただ多くの事実を吸収しようと終始するのではなく、型、根底に流れている基本的な考えを見つけるな方法が良いかもしれません。
「意味深い大きな型をつかむ能力」が直観の根幹となると言われますので。
アインシュタインは、自然法則を発見するために直観は極めて重要だと結論していますが、蓄積されたばく大な専門知識があったからこそ、ひらめいたのです。
おそらく、バッハやモーツアルトも同じように、美しい秩序ある音の組み合わせに関する膨大な専門知識があったので短時間で優れた作曲が出来たのだと思います。
無から直観は生じないのです。