韓国・ソウルで起きたハロウィーン前の圧死事故の要因については、群集心理が働いたことにその一因があると考える専門家がいます。
そうかもしれません。
ところで群集心理とは何でしょうか。
群集心理について良く分かる例の一つが、スポーツの試合の時に見られる暴力沙汰でしょう。
普段は良識あるように思える人が行動に歯止めが効かなくなります。
道徳観が希薄になり暴力的・攻撃的な刺激に過剰な反応をしてしまうのです。
群衆の中で働く心理が人を変えてしまいました。
別の例として平穏に開始されたデモが暴動に発展してゆくケースです。
これも群集心理の影響です。
群衆の中の一人になると、個々人はどこのだれなのか分からず、普通なら考えもしないことを行なっても構わないと感じるようになるのです。
ヒトラーは群集心理に精通していたと言われます。
ヒトラーは「大衆は知性にではなく感情に支配される」と信じていました。
人の持つこの弱点に付け込み、当時のドイツ人の不安と憤りをユダヤ人に向けさせ、一見品位のある大勢の人をまんまと大量虐殺に加わらせました。
読者諸兄は自分はいつも落ち着いていて理性的な人間だと考えるかもしれません。
恐らく周りからもそう見られていることでしょう。
しかし人間とは不思議なもので、集団の影響力にいとも簡単に飲み込まれてしまいます。
それで自分を守る最善の方法は、無秩序な集団の集まりとなりうる場所にはいかないことです。
また、そうなりつつあることを察知したらそこから立ち去ることです。
自分の正常な心理構造が群集心理によって押しつぶされてしまうからです。
その結果は悲惨なことでしょう。