「希望に生きる者は空腹に死す」とはアメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンが語った言葉と言われます。
希望が単なる非現実的な願いであればそのとおりです。
希望に対する懐疑的な見方は近代に始まったわけではありません。
ギリシャの哲学者アリストテレスは希望の定義を尋ねられ、「希望とは白昼夢である」と答えました。
もし希望が虚しい夢に慰めを求めることにすぎないのであれば、その懐疑的な見方は真実かもしれません。
それで自分の持つ希望の信頼性、どの程度その実現可能性を信じられるものなのか、それが問題です。
希望は根拠がなくとも、プラシーボ効果のように心身に良い影響を与えることがあります。
でも根拠のない希望を求めて生きるなら、砂漠の蜃気楼に惑わされそのうち行き倒れになってしまう、それと同じことが人生で生じるのではないでしょうか。