風邪の大部分はウイルス感染によって生じます。抗生物質は細菌を退治する薬ですから、ウイルスに向けたソリューションとしては見当違いです。
それで、薬は病原体のタイプに合わせて使う必要があります。
ウイルス→抗ウイルス薬
細菌→抗生物質(抗菌薬)
真菌→抗真菌薬
もし風邪を薬で根本的に治療しようと思ったら、ウイルスに作用する「抗ウイルス薬」を使う必要がありますが、残念ながらそういった薬はまだ世の中に存在しない、とのこと。
そうすると、市販で売られている風邪薬って?
風邪と診断され病院で抗生物質を処方しておきますって?
私たちが理解しなければならないのは、人間の医学に関する知識は未だに不完全なもので、時間がたてば修正されてゆくものだ、ということです。
そうであれば、現在私たちが通説としていわば信じ込んでいるものも、時がたてば、なんてあんなことを信じていたのか、と顔を赤らめる時が来ることがあり得るということです。
自分が科学や医学の進歩の恩恵にあずかっていることは否むことはできません。
ただ、その一方で、人間に分かちがたく結びついている「限界」というものはいつでも深く意識すべきである、ということもまた否むことはできません。
以上
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