酒屋にアルコール依存症の人はいません。
理由はおそらく単純なことで、そもそもアルコール依存症の人であれば酒屋など務まるはずがないからでしょう。
目の前にアルコールという誘惑物がたくさんあって、それに手を出さずにやっていくことはできないはずです。
そして売り物に手を出すのであれば、やがて店は潰れてしまいます。
この世の中には、自分の職業に関する適性を判断するための様々なツールがあります。
質問事項に答え、どんな職種が向いているか結果が出ます。
本人が納得するかどうかは別として、そこそこの精度で的中はしているのでしょう。
ただアルコール依存症の場合と同じく、それが好きだからとか、その製品に心底ほれ込んでいるからそれを自分の仕事とする、ということに若干の疑問を感じることがあります。
それはなぜかというと、それはアルコール依存症の人が、酒屋に就職するような状況と似ているからではと思うからです。
売り物に手を出すからということだけでなく、頭っからそれに埋没することによって、仕事としてそれを行っていくことが出来なくなるほど、周りが見えなくなる危険があるからです。
仕事は生計の手段であり、好きであると共にビジネスとしての客観的な視点を持ちながら行ってゆくものです。
そうしないと、趣味の世界に生きることになり経済的な側面が二の次になるでしょう。
時には自分の仕事は好きではない、と言えるくらいの第三者としての距離感を持てる仕事の方が、本人にとって適性ある仕事なのかもしれないと思うことがあります。